教科書

第1章 中間発表

1. 中間発表

ここでは、**「1.社会・研究背景」「2.方法」「3.進捗状況」「4.発表態度」**が評価項目です。スライドのおおまかな流れと作り方のポイントを示します。

(1) 1枚目:タイトル・社会的背景

  • スライドに載せる内容
    • タイトル 学籍番号 氏名 所属
    • 社会的背景:なぜこの研究が社会で重要か。データや公的文献を使って説得力を出す。
  • 作り方のコツ
    • タイトルは短くインパクトを。
    • 社会的背景は「世界的な需要」「国内事情」「新技術の必要性」など具体例を示す(数字や図表があると◎)。
    • 声をしっかり出して、冒頭の自己紹介や挨拶が元気だと印象が良い(発表態度の評価が上がる)。

(2) 2枚目:研究背景(問題点の導入など)

スライドに載せる内容

  • 研究分野固有の背景:既存の理論・技術・取り組み(文献紹介)
  • 他者研究がどの程度進んでいるか
  • そこから浮かぶ不足点や問題点

作り方のコツ

  • 先行研究を最低1~2件示す(引用番号つき)。
  • ただし「他者の研究」とタイトルを付けるより、「研究背景の中で他者研究を引用する」形が望ましい。
  • 問題点の流れ:「A研究は~を達成したが、高温域は未検討」など具体例を挙げ、自分の研究に繋げる。

(3) 3枚目~4枚目:方法(仮説・モデルを軽く示す/実験 or 計算方法)

スライドに載せる内容

  • 自分がどんな方法で課題を解決しようとしているか
  • 装置やシミュレーションソフトの写真・図表
  • パラメータ設定(温度、流量、回数等)とその根拠

作り方のコツ

  • 中間発表ではまだ仮説・モデルが完成していない場合もあるが、「こういうモデルを検証中」「こういう外乱を与える」と示す。
  • 装置があれば写真を入れ、「型番」「大きさ」「計測器精度」など最低限書く。
  • 文字だけだと伝わりにくいので、図解を意識。

(4) 5枚目~6枚目:進捗状況

スライドに載せる内容

  • ここまでに行った実験・計算の回数、どの程度試したか
  • 予備データや予備実験の結果があれば簡単なグラフを載せる
  • 失敗や工夫した点(“汗をかいている”)を強調

作り方のコツ

  • 中間発表で最も評価されるのは「どれだけ動いているか」。
  • 写真や具体的数値(実験回数○回、装置調整に○日かかったなど)を出すと印象が良い。
  • スケジュール表(今後どう進めるか)を軽く入れると尚良し。

(5) 7枚目~8枚目:まとめ・今後の方針

スライドに載せる内容

  • ここまでの要点を箇条書き
  • 「結局この研究で何を達成するか」「今後いつまでに何をするか」のスケジュール
  • 質疑応答時間に備えて、図やデータを補足する場合もあり

作り方のコツ

  • 中間発表ではまだ最終結論は出ていないので、**「今後は○○を追加実験し、モデル検証を進める」**など前向きに書く。
  • 発表態度として声を落とさず、最後までしっかり締めの言葉を言う(「ご静聴ありがとうございました」など)。

▼中間発表用ルーブリックとの関連

  • (1) 社会・研究背景の充実度、(2) 方法(モデルやパラメータ設定)の筋道、(3) 進捗アピール、(4) 発表態度 という4点を計80点で評価される。(例)
    • スライド1~2枚で社会的&研究的背景を丁寧に
    • スライド3~4枚で方法論を論理的に
    • スライド5~6枚で進捗を大げさにアピール
    • 発表態度は声の大きさ・目線・Q&A対応で差が出る
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